今現在、新型コロナウイルス感染症が恐れられているが、あらゆる細菌やウイルス感染症を防ぐうえで「口腔内の清潔」は非常に重要です。例えば口腔内が汚れていると歯周病菌が増え、インフルエンザウイルスをキャッチしやすい。そのため、口のなかを清潔にして歯周病菌を減らせば、それだけ「ウイルスを掴む手」が減ります。実際に近年、口腔ケアをきちんと行うことが肺炎の改善や予防に有効であること、インフルエンザの発症率を押さえるということが明らかになってきました。
それだけではありません。口腔内の汚れは全身に悪影響を及ぼします。
口の中をきれいにしないと心臓病の発症に関わるということがわかっています。歯ぐきの出血などから口腔内細菌が血流内に入り込み、血栓(血のかたまり)の形成に関与しているとかんがえられています。
また、歯周病はさまざまな全身疾患と関連があるが、とりわけ「糖尿病」と関係が深いのです。
歯周病菌は増えると、血糖値を下げるインスリンの働きを阻害するといわれています。
ですから糖尿病と歯周病は双方が症状を悪化しあってしまうのです。一方で20年間、糖尿病を患っていた人が歯周病の治療をしたら、内科医が驚くほど劇的に糖尿病が改善した例もあるのです。
血管内壁が厚くなり、血流が悪くなる「動脈硬化」も、その原因に歯周病器の存在が指摘されています。血栓によって血管が詰まる「脳梗塞」も同様です。
このように、痛みがない歯周病が、いかに幅広く影響しているかがおわかりいただけるかと思います。
さてそれでは、あなたは大丈夫でしょうか?
歯周病が疑われる症状を以下に列挙します。どれくらいあなたにあてはまるでしょう?
□歯ぐきが腫れている
□歯ぐきがむずがゆい
□口臭がある
□歯ぐきから出血がある
□口の中がネバネバする
□硬いものが食べづらい
□歯がグラグラする
□歯が伸びたような気がする
□歯ぐきから膿がでる
以上の9つのうち1つでもあてはまるようでしたら要注意です。
複数当てはまる症状があれば間違いなく歯周病です。
歯周病は、進行すると歯と骨をつなぐ歯根膜が徐々に溶けて、歯を失う原因にもなるのですが、進行するまでは自覚症状がない場合がほとんどです。
正常な状態の歯肉はピンク色で引き締まっていますが、歯垢がたまっていくと歯ぐきに炎症が生じて暗赤色に腫れます。歯磨きのときや硬いものを食べた時に出血しやすいですね。
炎症が進行すると、歯と骨をつなぐ歯根膜が溶け、隙間(歯周ポケット)ができます。
歯を支えている骨が溶け始め、やがて歯ぐきが下がって、歯がグラグラと動きます。歯ぐきから膿がでて口臭も強くなります。そして重症になると骨がほとんど溶け、歯が自然に抜け落ちてしまうのです・・・・・・
「出血しやすくなる」の段階で歯科治療を受ければ、正常な状態に戻りやすいですが、それ以上進行すると完全にすことは難しくなります。
「歯が抜ける」という最悪な事態を防ぐため歯周病が疑われる症状を是非参考にしてほしいです。
というお話でした。