口腔ケアと脳卒中

脳卒中は、突然発症する脳血管の病気の総称です。歯周病との関連も注目されており、

歯周病やむし歯を放置することで、感染性心内膜炎を招いたり、細菌性脳動脈瘤をつくることがあります。細菌性脳動脈瘤は脳内の細い血管にできやすく、脆く破裂して、くも膜下出血を起こしやすくなります。

どういう症状が現れるのでしょうか?脳卒中の代表的な症状には次のようなものがあります。

・左右片方の手足や顔半分に麻痺やしびれが起こる

・ろれつが回らない、言葉が出ない。

・激しい頭痛がする、吐き気がする。

・片目が見えない、物が二重に見える、視野の半分が欠ける

・手足に力が入らない、立てない、歩けない

・フラフラする、意識がもうろうとする

そして、脳梗塞の「前兆」にも注意が必要です!!

脳梗塞の場合、一時的に症状が現れ、多くは数分から数十分で元に戻る前触れ発作が起こることがあります。これを「一過性脳虚血発作」といいます。放っておくとその後に脳梗塞を発症する危険が高いので、できるだけ速やかに病院を受診しましょう。

脳卒中にならないために気をつけたいことは?

脳卒中を防ぐには「動脈硬化の予防」が重要です。予備軍となる危険因子の治療はもちろん、生活習慣の改善がポイントになります。

具体的には、

・塩分を控え、バランスの良い食事をとること

・適度な運動習慣をもつこと(汗がにじむ程度の有酸素運動で十分です)

などです。また、血栓予防のためにこまめに水分補給をするようにしましょう。水分補給を我慢しすぎると脳梗塞のリスクになります。就寝前、起床時、風呂上がりなどに「コップ1杯の水」がおすすめです。

いわゆる脳卒中家系の人も、食生活を見直すことで予防は可能です。ただし、脳動脈瘤には遺伝性があります。親や祖父母、兄弟姉妹にくも膜下出血を起こした人がいる場合は、一度頭部MRA検査を受けておくとよいでしょう。

歯周病は血液疾患、呼吸器疾患のほか全身にさまざまな影響を及ぼし、脳卒中との関連も注目されています。問題になるのは歯周病原因菌。歯周病やむし歯を放置することで、歯肉などの傷から菌が血管内に入り、心臓の弁に菌が付着すると、感染性心内膜炎というびゅきになるだけでなく、その菌が血液を介して能に流入して、細菌性の脳動脈瘤をつくることがあります。厄介なことにこの細菌性脳動脈瘤は、脳内の細い血管にできやすく、脆く破裂(くも膜下出血)しやすいのです。

歯周病は首の動脈(頸動脈)の動脈硬化を引き起こす可能性も指摘されています。さらに脳卒中を発症後は、麻痺や筋力の低下で歯磨きが難しくなることも多くなります。

歯科通院による歯周病対策は、脳卒中の予防・再発を防止するうえでとても重要な意味を持つのです。